十三非常階段
●TRANSFORMERS GENERATION 2  スコルピア
Transformers G2 kronoform watch scorpia  MGP3434

変形玩具に実用可能な腕時計の機能を組み込んだ
画期的なトイシリーズがクロノフォームだ。

その幾つかのアイテムはトランスフォーマーシリーズにも採用され、
G1期に発売されたオートセプター及びディセプターが有名。

年月を経た後、新シリーズのG2期にもクロノフォームは復活を果たした。
その中のアイテムの一つがサソリに変形するスコルピアである。



G2 kronoform scorpia IMGP3441

  ◆ 名前 : スコルピア

  ◆グループ: ウォッチ

  ◆ 変形 : デジタル腕時計






transformers G2 watch Scorpia package

◆シリーズ: TRANSFORMERS GENERATION 2

◆ 発売 : 1993年         `

◆ 価格 : 日本未発売        `




Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3618

ツールモード

実際に機能するデジタルウォッチが組み込まれている。
時計のフレームは金メッキ加工が施され、高級感が漂う。

子供目線から見れば、“本物”の腕時計を身に付け、
更にロボットに変形出来るという、胸が躍る様なトイである。



Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3625

リア

ベルトの穴は11個あり、子供は勿論、大人も着用出来る。

スコルピアの腕時計モードは、他のウォッチTFに比べ
ロボットモードのパーツが隠れている為、最もスタイルが良い。




Transformers G2 kronoform watch scorpiaIMGP3632

実用可能なデジタルウォッチとしての機能も充実。

月、日付、時間、分、秒の五つの表示が可能。
ボタンを押す事で表示が切り替わる。



Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3628

ベルトに備え付けられた台座側面のボタンを押すと
ロックが外れ、本体の時計即ちスコルピアが取り出せる。

蠍に変形するのは時計本体で、ベルト部は使用しない為、
腕にベルトを巻いたままで変形トイが楽しめる。




トランスフォーム!
transformers G2 Scorpia transform 2

ハサミや脚、尻尾がコンパクトに折り畳まれている構造が秀逸。




G2 kronoform scorpia IMGP3414

ロボットモード

大型のハサミと六本の脚、先端に針が備えられた尻尾と、
蠍のシルエットの特徴を巧く表している。

元々トランスフォーマーシリーズとは別物の
シリーズのトイだった為、TFらしさからは幾分離れている。



G2 kronoform scorpia IMGP3418

リア

ハサミと脚の基部はボールジョイントが採用されており、
自在に方向を変える事が可能、ハサミも開閉出来る。

尻尾にも三箇所の可動軸があり、極小サイズの
TFながら、可動箇所は意外に多い。




Transformers G2 watch scorpia IMGP3496

マイクロンキュージョンと比較すると、如何に小さいかが分かるだろう。

子供用腕時計の本体が変形するトイの為、非常に小サイズな物にも拘らず、
説得力のある変形や可動面を備えており、しかも開発された時期は
G2が展開した90年代ではなく、80年代前半という事にも驚く。





G2 kronoform scorpia IMGP3502

トランスフォーマーウォッチの起源は1984年に遡る。

変形トイやチョロQ等と実用デジタル時計を融合した
シリーズが、当時タカラが発売した『ウォッチQ』である。



Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3466

ウォッチQのラインナップはバラエティに富んでおり、
プルバックモーターで走るチョロQのルーフ部に
デジタルウォッチを組み込んだ物や、変形するタイプは
ロボット、ジェット機、ラジカセ型等があり、
時計の他にソーラー電池や電卓機能を備えたタイプ等がある。




G2 kronoform scorpia IMGP3457

近年ではデジタル時計は、児童誌の付録になるほど安価な物である。

簡易的な機能のみのデジタル時計は、80年代当時でも
安価であったが、ウォッチQシリーズは実用機能を
備えたトイという側面が強調されていた為か、
どのタイプも小サイズながら高額な価格設定であった。



G2 kronoform scorpia IMGP3495

価格はタイプによって異なり、ロボットやジェット機に変形する物は2800円、
プルバック走行が出来るチョロQタイプは2980円、
ソーラー電池機能を有したタイプは3980円と、いずれも高額商品だ。

時計と電卓機能が搭載された最上位タイプは4980円と驚くべき価格であり、
1984年当時としては相当に高価なアイテムだったと言えるだろう。



new microman  watchrobo IMGP3602

ロボットに変形するタイプは、ニューミクロマンの
ミクロチェンジシリーズ『ウォッチロボ
としても発売され、後にスコルピアと同じく
トランスフォーマーG2でも採用されている。





Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3478

1984年当時、タカラは自社ブランドのミクロマン・ミクロチェンジシリーズ
ダイアクロンをアメリカに輸出し、ハスブロが二つのシリーズを統合、
設定を一新して売り出したシリーズが『トランスフォーマー』である。

以降トランスフォーマーが世界的トイシリーズになる事は周知の通り。



Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3468

この流れの中、ウォッチQシリーズも輸出され、1984年から
アメリカで『クロノフォーム』シリーズとして発売される事になる。

ウォッチQのアイテムの多くがクロノフォームに採用され、
その中にはこのサソリタイプも含まれていた。



Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3461

しかし当時、『トランスフォーマー』として発売された物は
ビークルとロボットに変形出来るオートセプターディセプター
電卓機能搭載のカルターのみであった為、スコルピアが
TFシリーズ初登場となるのはG2シリーズの1993年である。






Transformers G2 kronoform watch scorpia   2236

このウォッチQ、クロノフォームからトランスフォーマーに
採用されたアイテムは、TFトイの歴史に永遠の疑問を投げ掛ける事となる。

それは、ディセプタースコルピアは、
オートボットなのか、ディセプティコンなのかという問題である。



transformers G1 package IMGP3581

G1初期からトランスフォーマーシリーズは、
正義のオートボットは赤いロゴとパッケージを、
悪のディセプティコンは紫の物を採用し差別化してきた。

このパッケージスタイルが、ウォッチTFの属する陣営が
どちらなのかという疑問の発端である。




transformers Autoceptor IMGP3638

オートセプターはオートボットの代表的モチーフの自動車に変形する。
ネーミングも「オートボット + セプター」でオートセプターであり、
オートボットである事に疑問を挟む余地は無い。

ディセプターのネーミングも同様に
ディセプティコン + セプター」でディセプターと単純な物だ。
変形モチーフもディセプティコンらしさが感じられるジェット機である。



Autoceptor Deceptor kronoformers  GP3527

双方共に、時計、ビークル、ロボットに変形可能な同タイプであり、
オートボットのオートセプター、対となる
ディセプティコンのディセプターと考える事が至極自然である。

しかし問題の争点となるのはパッケージだ。
ディセプターもオートボット側の赤い物なのである。



Autoceptor Deceptor package

これによりディセプターはオートボットとされるケースが支配的だ。

この事を受け入れたのか、当時から約10年後に発売されたLD-BOX付属の資料では、
ディセプターはサイバトロン(オートボット)と公式に認められている。

しかしディセプターのトイ仕様とネーミングから判断すれば、
開発時はディセプティコンと考えられていた事は想像に難くない。





Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3467

ではスコルピアはどうであろうか。

スコルピアの変形モチーフはディセプティコン側に相応しいサソリ。

ヘッドマスターのメガザラックやビーストウォーズのスコルポス等、
サソリに変形するTFは圧倒的にディセプティコン勢が多い。

数十年の歴史を誇るトランスフォーマーには、サソリに変形する
オートボットも存在するが、一般的に蠍は悪役のイメージが濃厚である。



transformers generation 2 watch IMGP3562

パッケージ裏面の写真を見ると、1986年に発売された
ウォッチボットウルトラマグナススペリオンガルバトロン
G2ウォッチシリーズで再発売されている事が確認出来る。

新アイテムとして加えられている物が、ロボットに変形する
オートボット』とサソリの『スコルピア』である。



transformers generation 2 watch  IMGP3573

その名も“オートボット”であるロボットタイプのTFは
オートボット陣営である事は間違い無い。

対するガルバトロン側のディセプティコンにスコルピアが属する事は明白。
敵味方のアイテム数のバランスを考慮すれば、そう考える事が自然である。



Transformers G2 kronoform watch scorpiaIMGP3539

しかし、ここでもパッケージ問題が生じる。
スコルピアのパッケージはオートボット側と同じなのだ。

G1期に物議を醸したディセプターと同様に、
G2期にもウォッチTFが同内容の問題を
投げ掛けてくるとは、歴史は繰り返すと言った所か。




transformers G2 Watch Galvatron IMGP3605

同シリーズのウォッチ・ガルバトロン
パッケージも他アイテムと同じくオートボット側の物だ。

ディセプティコンの大帝であるガルバトロンが、オートボットである筈がない。

つまりメインのTFトイラインではないウォッチシリーズは、
軍団別に分ける事よりもトランスフォーマーのトイである事を
示す為にパッケージは同じ物に統一したと思われる。



transformers G2 Watch Galvatron IMGP3608

ディセプターとスコルピアがパッケージから判断して
オートボット”陣営に分類されるのであれば、
当然ガルバトロンも“正義のオートボット”でなくてはならない。

「ガルバトロンはディセプティコンのリーダーだが、
G2版のウォッチ・ガルバトロンのみオートボットなのだ。」
という考え方は荒唐無稽としか言いようが無い。



G2 kronoform scorpia IMGP3492

スコルピアのボディにはトランスフォーマーG-2の
ロゴがプリントされている為、コンボイ顔の
G2オートボットのエンブレムも同時に印刷されている。

これは、なりきりトイの発展系であるウォッチTFに
トランスフォーマーシリーズのロゴをプリントしただけである。

ガルバトロンの台座にもロゴはプリントされており、
ロゴ右上にオートボットマークも確認出来る。

これを軍団マークと解釈するのは些か強引であろう。




G2 kronoform scorpia IMGP3487

デイセプターとスコルピア、両者の属する陣営は
ディセプティコン側である事は火を見るより明らかだ。

それでも頭の固い者は、“パッケージのルール”に従う。
これも一つの見解である事も紛れも無い事実であり、支持者も多い。

結論を述べるならば、この問題に時間を労する必要は全く無い。
各人が信じる陣営のキャラクターとして扱えば良いのである。





G2 kronoform scorpia IMGP3413

電池交換

スコルピアを裏返し、極小サイズのビスを7本外す事から始まる。
精密ドライバーは必要不可欠だ。

ボディを上下に分割し、更に時計本体を取り出した上、
極小サイズのマイナスドライバー等で電池を引っ張り出す必要がある。

ほとんど全て分解するという、一手間掛かる設計となっている。




Transformers G2 kronoform watch scorpia IMGP3502

謎を孕むTFアイテムは多数存在する。
今となっては真実は闇の中だ。

メーカーから見れば単なる商品の一つに過ぎないウォッチTFも、
メインから外れるトイ故に、『パッケージデザインは流用した。』
というのが、最も現実的な回答であるかもしれない。

しかし当時の開発者の意図を汲み取る事も、
TFをコレクションする上での楽しみの一つである。

探究心を掻き立てられるアイテムは楽しい。
他愛の無い“オモチャ”に真剣になれる事が愉快なのだ。







scopIMGP3677.jpg

⇒ ◆参考にならない比較◆


テーマ:ホビー・おもちゃ - ジャンル:趣味・実用

コメント
お久しぶりです、そしてあけましておめでとうございます。

これはまた珍しいものを見させてもらいました!
パッケージと軍勢についての考察、読み応えがありました。

金メッキで高級感ある作りなのが素敵ですねー。
シンプルな構造ながらしっかりとサソリのシルエットになっているのが秀逸ですね。
2012/01/05(木) 20:08:59 | URL | すとれーと | [ 編集 ]
ミクロチェンジ世代なのでウォッチロボ懐かしいです!
ただトランスフォーマーにウォッチモノがこんなにあったとは知りませんでした。

このスコルピアも初めて見ましたが頭部を違和感なく落とし込んだレトロな金メッキデジタルウォッチのフォルムがすごくカッコいいと思いました。サソリになっても玩具というより大人の鑑賞に耐えうるオブジェ的な雰囲気なんですね。ガルバトロン達が対称的にかわいらしい!

検証面白かったです。「ディセプターがサイバトロン認定」というところが余計にややこしくなっている要因みたいですね(笑)。今現在のように国内でもオートボット、ディセプティコンという名称が浸透した状態でも同じ結果になったのでしょうか。




2012/01/06(金) 00:40:27 | URL | チャックルベリー | [ 編集 ]
 あけましておめでとうございます。

 ……何とも一発目から濃いものを。今の時期に売り出したら「サム監視用腕時計」として需要があったかも知れませんね。
2012/01/06(金) 01:17:48 | URL | Ichi | [ 編集 ]
>すとれーとさん
あけましておめでとうございます!

パッケージとどちらの陣営かの疑問は昔から言われていた事で、
スコルピアよりもディセプターで取り上げられる事が多いですね。
関連があったので自分なりに纏めてみました。

それは兎も角、トイは小さいながら脚とかハサミ等もよく出来てて
変形トイとしても楽しめる物で気に入っています。^^
2012/01/06(金) 23:08:28 | URL | 付喪 | [ 編集 ]
>チャックルベリーさん
ミクロマンのカタログを発掘するのに手間取りましたw
というかガルバトロンもどこにしまったか分からなくて、
記事が三箇日に間に合いませんでした。(^^;

スコルピアは明確な”顔”が無くて、他のTFとは趣が異なる所が目新しかったです。
仰る通り、オブジェ的な雰囲気も感じられますよね。
時計モードも80年代中頃は、最先端のデザインだったであろう感じが伝わって来て興味深いです。
対するガルバトロンやマグナスはオモチャ的で、こちらも味がありますね~w

LD-BOX資料の編集者もパッケージで判断したのかもしれません。
1985年当時のハスブロの担当者のみが、ディセプターの真実を知っているのかも。
この問題は水掛け論になる事は必至なので、結論は出ない気もしますねー。
2012/01/06(金) 23:23:13 | URL | 付喪 | [ 編集 ]
>Ichiさん
あけましておめでとうございます!

「正月だからこそ、変り種を」と思ったんですが、書きたい事が多かったのと
写真用のトイが見つからなくて正月が過ぎてしまったというw

>「サム監視用腕時計」
なるほど、ダークサイド・ムーンのあの腕時計も”虫型”でしたね、
リベンジのインセクティコンみたいに玩具化して欲しい気もしますねー。
2012/01/06(金) 23:31:26 | URL | 付喪 | [ 編集 ]
遅ればせながら、
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

これはまた珍しい物を!
資料とかで見たことはあるけど、実物は見たことない物ばっかりでビックリです。
今回の記事は資料性高いなあ、ほんとに凄いです。
2012/01/08(日) 19:32:14 | URL | れっど あらあと | [ 編集 ]
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
‥遅い挨拶ですみません。

今回のアイテムは素晴らしいですね。
読んでいてゾクゾクしました(笑)
当時の最先端というか、フューチャーレトロなデザインが非常に
クールだと思います!
金色メッキが無茶苦茶カッコいい!
何気に昔のアイテムって、サラリとボールジョイントが使ってあったりと見所が多いですよね~。

無理矢理時計にされちゃった感のあるガルバトロンのイラストが
最高ですね!w
2012/01/08(日) 22:23:54 | URL | スパズマ | [ 編集 ]
>れっど あらあとさん
あけましておめでとうございます!
今年も宜しくお願いします。

>これはまた珍しい物を!
いえいえ、れっどあらあとさんに比べたら私のコレクションは大した事ないですよー。
本館やブログを拝見して、いつも「コレいつか欲しいな~」、と思っていますw
お正月という事で発掘してみました。 色々と保管場所が分からないという罠がありましたけどw

お褒めの言葉ありがとうございます!
楽しんで頂ければ、私も嬉しいです(^▽^/
2012/01/09(月) 18:30:28 | URL | 付喪 | [ 編集 ]
>スパズマさん
明けましておめでとうございます!
今年も宜しくおねがいします。

ご賛辞ありがとうございます、励みになりますよー。(^▽^)

>フューチャーレトロ
正にそれですね! スパズマさんは語彙が豊富ですね!
80年代トイって”未来”を感じさせるオモチャが色々とありましたよねー。

スコルピアは元々日本向けの設計なので、細い脚とかボールジョイントとか
意外に造り込まれている所が気に入ってます。

ウォッチ・ガルバトロンのイラストもリアル調に描いている所が楽しいですね。
G1、G2のボックスアートって味があって大好きです!
2012/01/09(月) 18:43:54 | URL | 付喪 | [ 編集 ]



URL

 
PASS
SECRET

Copyright @ TYPE=B All Right Reserved. Powered by FC2 Blog