
(スラッグ ジーワンカラー バージョン)
◆グループ: ダイノボット
◆ 変形 : トリケラトプス
◆シリーズ: トランスフォーマー ロストエイジ
◆ 発売日: 2014年8月9日
◆ 価格 : 6000円(税込)

パッケージ

通常版のAD-07 スラッグはブリスターパックだが、
限定版のスラッグ G1カラーVer.はボックス仕様。
ボイジャークラスの箱と形状は類似しているが、
縦7cm×横10cm×高さ18cmのコンパクトな箱なので、
コレクターにとっては非常に助かるサイズ。

ビーストモード
トリケラトプスという名前にもある様に、頭部に3本の角を持つ角竜の代表格。
白亜紀後期の北米大陸に生息した、体長9mにも及ぶ巨大な草食恐竜。
特徴的な姿から一般認知度も高く、子供にも広く知られている為、
恐竜ロボット・ダイノボットに加えられた事も理解出来る。

リア
TFロストエイジのダイノボットは、恐竜の骨格とメカ要素を
融合させたかの様なデザインが特徴で、全身は尖ったエッジ部分が多い。
スラッグは実在したトリケラトプスには無かった尻尾の棘が加えられており、
恐竜モードでもより攻撃的な姿が与えられている事が見て取れる。

スラッグ G1カラーVer.は、その名の如くG1期のダイノボットの一員、
初代スラッグのカラーリングを再現しており、
G1スラッグのトイのカラーも取り入れている。
額の角が赤い成形色という所は、G1スラッグとの共通点だ。
顔のゴールドメッキ、フリルのシルバーメッキにより美しさが引き立ち、
更に胴体と四肢は全体的にシルバーで塗装が施されているので
豪華さも付加されており、限定品として納得の仕上がりだ。

トリケラトプスの状態でも可動が組み込まれており、表情を付ける事が出来る。
前脚の付け根はボールジョイントで接続されているので
自由度が高く、肘も曲げる事が出来る。
後脚の付け根は前後に動き、つま先も可動する。
首は上下に可動、顎は大きく開く事が出来、
尻尾も上方に動かせるので恐竜モードでもポージングの幅は広い。
トランスフォーム!

難解な変形ではないが、パーツ移動の際に各部が干渉し易い為、
フリルのメッキやボディ全体のシルバー塗装の剥離に注意が必要。

ロボットモード
G1スラッグとは全く異なるデザインが特徴で、
ロストエイジ・スラッグは西洋甲冑を思わせる、
オリジナリティ溢れる姿となる。
細身のボディに太い手足、両肩には分割されたトリケラトプスの
頭部が収まり大型のショルダーアーマーを形成している。

リア
恐竜の前脚をボディの両サイドに配置する事で、
細い胴体にボリュームを付加しているアイディアが秀逸。
尻尾は折り畳まれてスカート状のアーマーとなる為
纏まりが良く、基部が動くので脚部のポーズ付けの
妨げにはならない工夫も好感が持てる。

TFロストエイジのダイノボットのロボットモードは、
スラッグを含めて中世ヨーロッパの甲冑をモチーフにしている。
G1カラースラッグは頭部形状に加えて全身のシルバー部分が多い為、
西洋甲冑のフルプレートアーマーの様なイメージが増している。

1985年に日本で発売されたG1スラッグの頭部は黒い成形色であったが、
アニメ版は試作品のカラーを採用した為、赤い頭部であった。
スラッグ G1カラーVer.は、成形色やメッキ等はトイ版の要素を受け継いでいるが、
赤い頭部と青い目はアニメ版のカラーを取り入れている事が分かる。
G1期のダイノボットのカラーである金、銀、赤で纏められた
カラーリングに加え、トイ版とアニメ版設定を融合したかの様な配色。

首、肩、股関節にボールジョイント、腰、二の腕、大腿部にはロール、
肘、手首、膝、足首に可動軸が組み込まれている。
ポージングの幅は広く、肩に位置したトリケラトプスの頭部は
首の部分が可動するので、腕部を動かす際には
干渉しない様に逃がす事が出来る設計も嬉しい配慮だ。

『まるでディセプティコンの様な気質を持つスラッグ。
気性が激しく、破壊的で、最大の楽しみは
その火炎パワーで敵を溶解する事である。』

『悪い意味で隙が無く、オートボット達は
そう思っていても決して口に出さない。
なぜなら彼の怒りの矛先に立つ恐ろしさを
十二分に理解しているからだ。』

トレイルカッターソード
刃先が二股に分かれた大型の剣が2本付属する。
G1期のスラッグにも剣が付属するのだが、赤い成形色の剣であった。
スラッグ G1カラーVer.の剣は、G1版に合わせた
赤い成形色で製作するという拘りに感心する。

柄は5mm径になっているので、拳に難なく装備可能。
二刀流のスラッグという面が新しい要素である。
剣は複雑な形状で造形されているが、軟質素材で
成形されている為、破損の心配は少ない。

トレイルカッターソードは恐竜モードでも装備可能。
横に広がった2本の剣により、
突進攻撃が凶悪な結果を齎しそうなモードだ。
トリケラトプスの脇腹にジョイントの穴が開いており、
剣の柄を差し込んで装備出来るが、外れ易い事が難点。

限定品の特色カラー版は、本体のカラー変更のみという場合もあるが、
スラッグG1カラーVer.は通常版とは異なる設定が掲載されており、
キャラクターの情報が増えた事は大いに評価出来る。
又、専用の新規パッケージだけにとどまらず、裏面のトイの写真も
通常版の流用ではなく、スラッグG1カラーVer.を使用している。
ボックスは黒の単色刷りでありながらも、
新規の写真を掲載している事は驚くべき拘りと言えよう。

スラッグG1カラーVer.は、2014年8月9日(土)から8月17日(日)まで
パシフィコ横浜で催された『トランスフォーマー博』の
「プレミアムグッズ付き前売りチケット」に付属した限定トイである。
チケットは2014年5月1日からローソン・Loppi限定で販売を開始、
トイの引き換えはトランスフォーマー博の開催初日である2014年8月9日から。
通常の前売りチケットは2014年5月23日から発売されたので、
半月以上も早く発売してグッズ付き前売り券をアピールしていた事が分かる。

トランスフォーマー博の通常前売りチケットは2300円(税込)であり、
プレミアムグッズ付き前売りチケットは6000円(税込)の為、
トイのスラッグG1カラーVer.の価格は3700円(税込)という事になる。
ムービーアドバンスドシリーズのAD-07 スラッグは3024円(税込)なので、
メッキと全身塗装が施されたスラッグG1カラーVer.の
価格は妥当と思える範囲であったと言えるだろう。

プレミアムグッズ付きチケットは全国どこでも購入可能であったが、
限定トイのスラッグG1カラーVer.は全国配送してくれる訳ではなく、
コンビニで受け取れるというサービスも無かった。
トランスフォーマー博会場のパシフィコ横浜に於いて、
引換券と交換する形でしか入手出来なかった事が特徴の限定トイだ。
又、トランスフォーマー博会場ではスラッグG1カラーVer.は
販売しておらず、引換券が無ければ入手不可能だった。

G1カラースラッグを手にするには、
プレミアムグッズ付き前売りチケットを購入し、
トランスフォーマー博を訪れる事は必須条件となっていた。
この為、横浜周辺ではない地域に在住している者にとっては、
少々ハードルが高いアイテムであったと言える。

それでもG1カラースラッグは、TFファンにとって
魅力的なアイテムであった事は間違いないだろう。
G1期の頃からトランスフォーマーを体験している古参のファンだけではなく、
実写映画から入ったTFファンにとってもG1カラーは馴染み深いカラーリングだ。
G1カラーという名称ではあるが、TF創成期の
1980年代からのファンのみを対称にしている訳ではないのだ。

↓
2007年のハリウッド実写映画第一作目『トランスフォーマー』で
獲得した新規のファン層の中でも、子供を対象に制作された
『トランスフォーマー アニメイテッド』に登場するキャラクターの大半が
G1カラーを踏襲しており、アニメイテッド版ダイノボットもG1カラーだった。
写真のアニメイテッド・スナールも、
初代スラッグのG1カラーを概ね再現している。

又、アニメ作品だけではなく、2000年代から展開された
DWやIDWのアメリカンコミックスでもG1キャラが活躍する
コミックスは多数発売されており、更にネット上には
G1トランスフォーマーの情報は溢れている為、
G1カラーはどの世代のファンにもアピール性が高いのである。

数十年の歴史を誇るトランスフォーマーシリーズには、
トランスフォーマーG-2やシャッタードグラス等、
TFトイのカラーバリエーションも数々登場してきたが、
やはり最初期に登場したG1カラーには
認知度や人気の高さで及ばない。
多くのTFファンが反応してしまう事がG1カラーの強みであろう。

『トランスフォーマー ロストエイジ』のダイノボットは映画ではほぼ単色に、
トイでは各アイテム毎に独自のカラフルな配色となっている。
この為、G1カラーは目新しく映る事も限定トイとして相応しかった。
又、トランスフォーマー30周年に合わせて開催された
トランスフォーマー博のプレミアムグッズには、
TFの歴史を感じさせるG1カラーは恰好のカラーリングであった。

TFロストエイジ版ダイノボットは、映画版も玩具版も
独自のカラーリングを採用しているだけに、
G1カラーのリペイント版は新鮮なイメージが感じられる。
又、レギュラーシリーズではメッキを多用するアイテムは
久しく登場していなかっただけに、G1カラースラッグの
特徴的なトリケラトプスの頭部は、絶大なインパクトを放っていた。
スラッグ G1カラーVer.は、これぞ「限定品」と呼ぶに相応しい
満足のいく完成度の高いアイテムであった。

◆参考にならない比較◆
⇒ ダイノボット EX ブラックナイトスラッグ `
⇒ ダイノボット AD-05 ダイノボット スコーン `
⇒ ダイノボット EX ブラックナイトスコーン `
⇒ ダイノボット AD-24 ストレイフ `
⇒ ダイノボット AD-25 ダイノボット スラッシュ