十三非常階段
●X-MEN  SECRET WEAPON FORCE  スーパーシューター ビースト
X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 513

1990年代は日本に於けるアメコミの転換期であった。

それまでにも日本に導入されたアメコミ作品はあったが、
マニアックなジャンルの枠を超える事は無かったのが実状だった。

1990年代のフィギュアブームや邦訳コミックス、ゲーム等が登場した事の
功績は大きく、一般層にアメコミを浸透させる下地となった事は間違いない。

その発端となったと言っても過言では無い事柄が、X-MENのTVアニメ放送であり、
1994年を境に日本国内のアメコミを取り巻く状況は大きく変化した。



X-MEN シークレットウェポンフォース スーパーシューター・ビースト 8618  ◆ 名前 : スーパーシューター ビースト

  ◆ 本名 : ヘンリー・フィリップ・マッコイ

  ◆ チーム: X-MEN


  ◆メーカー: TOYBIZ (発売元やまと)

  ◆シリーズ: X-MEN SECRET WEAPON FORCE

  ◆ 発売 : 1998年

  ◆ 価格 : 1200円




X-MEN SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Package

パッケージ




X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 469

フロント

全身青い体毛で覆われたビースト特有の姿を、
初期トイビズ・フィギュアとは比較にならないほど
リアルな造形で立体化した決定版のフィギュアである。

巨大な手足や類人猿の様なスタイル、特徴的な髪型、
凶暴さが表れながらも知性も感じさせる精悍な顔立ち、
筋肉や体毛のリアルな造形、頭身や体型のバランス等、
後年登場したどのトイビズ製ビースト・フィギュアにも
引けを取らない非常に完成度が高いアイテムだ。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 476

リア

唯一、コミックスやアニメではパンツ姿であったコスチュームを
短パンの様なデザインに変更している点は、あまり馴染みが無い物だ。

又、ボディ全体は青い成形色で構成されるが、更に青の塗料で
ウェザリング塗装を施す事で全身の体毛のモールドを
浮かび上がらせる配慮が成されており、リアルさが引き立つ。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 502

従来のトイビズ・フィギュアと比べると格段に可動箇所が増えており、
肩は前後左右に回転、肘、股関節、膝、足首も可動し、
首、腰、手首にはロールも組み込まれている優れた仕様。

後のマーベルレジェンド・フィギュアにも繋がる
リアルさと可動の両立は、1990年代後半から確立されていた。



X-MEN  6 Inch Figure SUPER SHOOTER BEAST & 5 Inch Figure WOLFSBANE 605

スーパーシューター・ビーストはキャラクター性が考慮され
他のフィギュアより大柄に造られており、脚部の関節を伸ばすと
約6インチサイズとなるので、他のキャラクターとの
身長差が再現されている事が分かる。

5インチで統一していたトイビズ製フィギュアは、1990年代後半から
6インチフィギュアも登場し、ラインナップに導入された時期でもあった。




X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 479

トイオリジナルのショルダーガードをベルトで装着しており、
ショルダーガードと胸部には『SECRET WEAPON FORCE』の
文字が入ったX-MENチームのマークがタンポ印刷されている。

1990年代中期以降のX-MENフィギュアは、トイオリジナルの
武器やアクセサリーをセットにしたアイテムが多数登場している。




X-MEN シークレットウェポンフォース スーパーシューター・ビースト 523

シークレット・ウェポン・フォースのショルダーガードの
ベルトは軟質素材で造られており、背中部分に
備わっているジョイントにより着脱可能となっている。

ベルトを外すと御馴染みのビーストの姿になる為、
従来のX-MENフィギュアと組み合わせても違和感が無い。

着脱式のベルトにした事は、ファンにとって嬉しい配慮であった。





X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 535

X-MENのオリジナルメンバーの一人であるビーストは、
常人を遥かに上回るパワーとスピード、スタミナを備えた
強靭な肉体と身体能力を武器とするミュータントだ。

反面、その容姿からは想像出来ないほど天才的な
頭脳の持ち主であり、遺伝子学や生化学の権威である。



X-MEN フィギュア シークレットウェポンフォース スーパーシューター・ビースト 8533

一時、ビーストがX-MENを離れ企業の研究員として働いていた際、
彼は潜在的なミュータント能力を活性化させる薬品を開発した。

薬品を巡る事件に巻き込まれたビーストは自分に摂取したが、
中和剤を飲むのが遅れた為、元の姿に戻れなくなり、
全身毛むくじゃらの野獣の如き容姿で生きて行く事となる。



X-MEN 6 Inch FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 538

皮肉にもコードネーム『ビースト』その物の様な姿になった彼は、
元々特化していた肉体が更に強化され、時速64km.で走る事が可能となり、
重さ10tの重量物を持ち上げる程の怪力を有するに至った。

自業自得とも言える容姿の変貌に度々心を痛めるビーストだが、
普段はお喋りでユーモア溢れるチームのムードメーカー的な存在である。





X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON 545

パワーキャノン

X-MEN SECRET WEAPON FORCE』のトイシリーズは、
その名の通り武器が付属している事が特徴。

スーパーシューター・ビーストには、フィギュアのボディほどもある
巨大なミサイルランチャーが付属し、各部の細かなモールドと
全体に施された塗装、内蔵されたギミックが秀逸な武器だ。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST POWER CANNON 8551

パワーキャノンは右拳のジョイントにセットするが、巨大な武器故に
前腕にフィットする支えのパーツも追加されている遊び易い設計。

更に単に大型の武器ではなく、変形機能も備わっている事が特徴。

パワーキャノン後方のピンク色のバーがスイッチになっており、
これを押し込むと外装のパネルパーツが五つに分割され放射状に開く。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON 555

バー状のスイッチを押すと複数のギミックが同時に発動、
パネルパーツが開くと同時にランチャーからミサイルが発射される。

驚くべきは中央のランチャーはリボルバー式で、ミサイルを一つ発射すると
ランチャーが回転して次のミサイルが自動的にセットされるという優れ物。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON 8557

即ちバー状のスイッチを押す事で、パネルの展開、ミサイル発射、ランチャーの回転という
三つのアクションが発動し、更に動きもダイナミックで迫力がある。

大型武器のパネルが展開する事で更に巨大なシルエットを作り出し、
連動したギミックも搭載されているので大いに楽しめるトイだ。

パネルはスイッチを押している間だけ開き、ストッパーは無いので
スイッチを離すとスプリングにより元の閉じた状態に戻る。




X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON Missiles 8576

又、ミサイルはパワーキャノンにセットする3本に加え、
予備が2本付属し、背中のアーマーの溝にセットしておく事が出来る。

予備のミサイルも余剰にしない配慮は好感が持てる物で、
弓矢の様に背中に装着出来るアイディアも非常に巧い。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON 565

フィギュア自体も非常に優れているが、付属する武器は
フィギュア以上に計算された大掛かりなギミックを搭載している。

1990年代のトイビズ・フィギュアは子供が遊ぶ事を前提としていた為、
アクションギミックはアイディア溢れる楽しめる物ばかりで、
単なる関節可動フィギュアには無い充実した内容のアイテムが揃っていた。






X-MEN BEAST Figure 1998 8492

2000年代の実写映画の成功により日本の一般層にも
認知されたX-MENだが、それ以前は他のアメコミ作品も含め
マイナーな存在であり、アメコミ自体が非常にマニアックなジャンルであった。

一般人が知るアメコミヒーローはスーパーマンバットマン程度で、
スパイダーマンすらマニアックな存在だったのでX-MENなど知る由も無かった。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE BEAST 542

その様な状況の中、1994年から1995年に掛けて国内放送された
X-MENのTVアニメは画期的な物で、これに付随する形で
小学館のX-MEN邦訳版コミックスの発売、タカラによるフィギュア販売
カプコン開発のアーケードゲームの登場及び各家庭用ゲーム機への移植等、
1990年代中期に日本に於けるX-MENの基盤が作られた。




X-MEN フィギュア スーパーシューター ビースト 589

1994年放送のX-MENのアニメは、アメリカで1992年から放送が開始された
アニメを国内導入した物で、当然吹き替え版で放送された。

ベテラン声優が一堂に会した豪華な作品となった吹き替え版X-MENは、
宛ら洋画を視聴している様な雰囲気を備えていた事が特徴だった。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST POWER CANNON 582

X-MENのアニメは原作コミックスの要所を集約した様な内容で、
展開が早くアクション性も高かったが、基本となるストーリーは
人類とミュータント間の対立、偏見や差別という暗い側面も強かった。

子供向け番組故に、重い雰囲気を緩和する為と思われるが、
吹き替え版ではギャグ要素も若干加えられている。




X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST 8600

そのギャグ担当の筆頭となってしまったのがビーストであり、
吹き替え版ビーストの口癖は、事も有ろうに『ババンババーン!』である。

この「ババンババーン!」は単発で終わる事はなく、アニメ劇中で
何度も使われていく内に日本版ビーストの口癖になってしまった。

独り言として呟いたり、場合によっては甲高い声色で
「ババンババーン!!」と叫ぶビーストに原作の面影は無い。




X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON 572

吹き替え版ビーストの声優は、後のビーストウォーズ』の
メガトロン
役も演じた千葉繁氏である。

更に日本版X-MENの音響監督、演出を務めたのは、
同じく『ビーストウォーズ』の吹き替え版で
監督と脚色を行った岩浪美和氏であった。

この両名から連想されるキーワードは「アドリブ」である。



X-MEN FIGURE SECRET WEAPON FORCE SUPER SHOOTER BEAST Transforming POWER CANNON 563

吹き替え版ビーストの「ババンババーン!」という台詞は
十中八九アドリブと思われ、流石にビーストのキャラクター性に
合っているとは言い難く、作品の中でも浮いていた。

又、ビーストは『ユーモアとウィットに富む男』と紹介されるが、
アメリカのユーモアの感覚が日本と異なる為か、吹き替え版では
アドリブ的な単なる駄洒落に差し替えられている場合が多かった。




X-MEN  6 Inch Figure SUPER SHOOTER BEAST 525

本来のビーストはユーモアの中にも知的な要素を織り込んでくるのだが、
吹き替え版は原語版を全く無視したギャグを口にする事も多く、
知性的なキャラクターから少々ずれてしまった事は否めない。

日本版ビーストは「親父ギャグを連発する変な人」の様な
キャラクター付けになっていたので、違和感は強かった。



X-MEN Figure BEAST  1998 581

元々のアニメ映像とストーリーがあるので、言語版通りのシリアスな
シーンも多いのだが、吹き替え版ビーストは他のX-MENメンバーと
比較すると大幅にキャラクター性が崩されてしまっていた。

当時、日本に於いてはX-MENはほとんど初出の様な状況だったので、
ギャグ要素を加えて子供に興味を持ってもらいたかったのだろう。

1994年放送版のビーストは、日本独自のキャラクター付けが
成された特殊な例なので、ある意味貴重かもしれない。




X-MEN フィギュア シークレットウェポンフォース スーパーシューター・ビースト 594

X-MENのTVアニメはゴールデンタイムに放送していた事もあり、
アメコミに対する一般認知度の向上に貢献した事は間違いないだろう。

それまでの日本に於けるアメコミの評価は「勧善懲悪を描いた単純な漫画」という
誤解されたイメージが濃厚だったので、子供向けアニメながらも
X-MENの深いストーリーと人間模様により、多少なりとも見直された筈だ。

その認識は受け継がれ、続くフィギュアブームや2000年以降の実写映画へと繋がり、
アメコミが日本に於いても多くの一般層に認知されるジャンルに至るのである。








X-MEN BEAST 521

◆参考になならい比較◆





⇒ オリジナルX-MEN ビースト
⇒ ヘビーメタル ビースト  `







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